あなたの名前は忘れたけれど。
朝陽。


お前の名前の由来を伝えるべきだった。


俺の名付けた、お前の名前を。


もっとたくさん名前を呼んであげればよかった。


もっとたくさん話を聞いてやればよかった。


もっとたくさん電話をしてやればよかった。


もっとたくさん、たくさん。


「朝陽……」


こんな、小さな骨箱なんかに入ってないで。


もっともっと、未来に向かって歩いて欲しかった。


両腕でしっかりと朝陽の骨を抱く。


どうして。初めて出会った時よりも成長しているはずなのに。

どうして。今のお前は、こんなにも軽いんだ。
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