俺の女に触るな!
「トモ、まだいる?」
「え?ここには来てないですよ」
「ありゃ?どこ行ったかしら?あの、クソガキ」
トモのお母さんは全身ピンクのジャージ姿で腰に手を当てている。そしてバリバリの金髪。その姿が若い時分のやんちゃ加減を物語っていた。てか、すぐ殴る。虐待ではないのは知ってる。明らかにトモが悪い場合に鉄槌発動。トモは青タン作って私ん家に逃げ込む。
今、夜中の11時。
確かに彼にしては遅い。
「また喧嘩したんですか?」
「喧嘩じゃないよ、教育的指導」
「また殴ったんですね」
「当然。逃げたかあの野郎」
「ああ、だったら……多分わかりますよ」
「じゃ、お願いできる?あたしじゃさらに逃げ回るだろうから」
「はい」
私はお母さんを見送ってから自分の部屋に戻った。