俺の女に触るな!



「トモ」


「おう」



トモは驚いたふうではなく、デートの待ち合わせに遅刻した彼女を非難しているような、そんな表情だった。



「ずっとここにいたの?」



「腹減った」とトモはまるでひもじいのが私のせいだとでもいうような口調。



「じゃ、帰ろ」と御機嫌斜めにさせないよう大好きなカルピスウォーターを差し出して、言ってみた。



「嫌だ。今日は家に帰る気分じゃねー」



 パキン。  



「お母さん、口調はいつも通りだったけど目が吊り上がってたよ。多分、怒ってる」


「困ったね」



 ゴクゴク。



「帰ろ。私が間入ってあげっから」


「嫌だ」



他人事のようにこの小僧はカルピス美味そにごくごく。私が困った。とりあえずこのガキを片付けなければ。



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