俺の女に触るな!
トモの要請で駅前のお洒落カフェへと半ば暴力的に私は拘束されてしまった。私はトモにはちょいと甘いところがある。これは昔っからだ。お母さんとは真逆というか、アメムチのアメ的なお姉さんを演じたいのかもしれない。お互い一人っ子。憧れもある。
トモのお母さんは私にお金を渡していた。さすが母親。「あいつ、ぜってー腹空かしてるから、ヤヨちゃんも一緒に何か食いな」
トモは自分の海老フラ定食御飯大盛りおかわりプラスに加え、私のカルボまで平らげた。さすが一番勢いのある成長期。
「俺さー、悩みがあるんだよね」
はじまった。自分でもどうでもいいと思ってるくせに、改まって真剣そうに、ただ話し相手して貰いたくて……だね。
まあ残念なことに私はそんな会話を別に疎ましいとは思わないけれど。
「ほう、どんな?」
「顔」
私は首を傾げてトモの顔を見た。
「別になんともないよ」