私の好きなお好み焼き屋の店長は私の好みです
私は、本当にユースケのことばかり考えているのだろうか。

頭に浮かんだ考えを、一瞬で否定する。

そんなわけない。

私は、彼のことをこれっぽっちも考えちゃいない、きっと。

私が彼を振れないのは、自分に彼氏という存在がいなくなるのが怖いから。

怖くて、きっと惨めだから。

惨めで、きっと悔しいから。

悔しくて…

やっぱりちょっと、寂しいから。

私はわがままです。

寝る前に、胸の前で両手を組んで月を見た。

私はわがままなんです。

空の穴に吸い込まれていきそうになるほど、明るい光。

ごめんなさい、私の世界にいるみんな。

伊織、沙織、ユースケ、みんな。

私のわがままは、まだ収まらないから。

先に謝っておきます、お月様。

理不尽だ、と自嘲する。
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