私の好きなお好み焼き屋の店長は私の好みです
自分の一挙手一投足が彼の瞳に映っていると思うと、緊張せずにいられなかった。やっとで示された椅子に腰を落ち着け、前を向いて背筋を伸ばす。
「今日はお電話ありがとうございました。新屋さん、大学四年生ですね。十月の半ばオープンの店なので半年ほどしか働いていただけないんですが、それでよろしいんですか?」
薄い唇が立て続けに動く。
「一人暮らし資金を貯めたくて応募したので、それは大丈夫です」
「へー、一人暮らしですか。じゃあもう就職は決まって?」
「はい。学校も週に一度行くだけなので、月曜日以外でしたらいつでも入れます」
私の言葉に、ずっと履歴書を見続けていた彼が顔を上げた。目が合って胸が瞬時に高鳴る。彼は考え事をするように顎に手を当てて、細い目を更に細めた。
「それは良いね」
二十二歳の私に、可愛いと思わせる見た目二十代後半から三十代前半のこの男。自分の彼氏に感じるのとは全然違う己の思いに、少し戸惑いを覚える。
「じゃあ、九月の後半から研修を始めますので、来ていただけますか」
「はい! よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
彼は席を立ち、また正しい礼を見せた。私もそれに合わせて席を立ち、自分なりに美しいと思える角度で頭を下げた。
「今日はお電話ありがとうございました。新屋さん、大学四年生ですね。十月の半ばオープンの店なので半年ほどしか働いていただけないんですが、それでよろしいんですか?」
薄い唇が立て続けに動く。
「一人暮らし資金を貯めたくて応募したので、それは大丈夫です」
「へー、一人暮らしですか。じゃあもう就職は決まって?」
「はい。学校も週に一度行くだけなので、月曜日以外でしたらいつでも入れます」
私の言葉に、ずっと履歴書を見続けていた彼が顔を上げた。目が合って胸が瞬時に高鳴る。彼は考え事をするように顎に手を当てて、細い目を更に細めた。
「それは良いね」
二十二歳の私に、可愛いと思わせる見た目二十代後半から三十代前半のこの男。自分の彼氏に感じるのとは全然違う己の思いに、少し戸惑いを覚える。
「じゃあ、九月の後半から研修を始めますので、来ていただけますか」
「はい! よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
彼は席を立ち、また正しい礼を見せた。私もそれに合わせて席を立ち、自分なりに美しいと思える角度で頭を下げた。