キンダーガーテン四   ~私の居場所に~
「はい、先生。」

先生の前にコーヒーを置く。

「…………………ありがとう。」

やっぱり、元気がないなぁ。

ソファーに座る先生の横に座ると

ゴロンと膝の上に頭を乗せてきた。

ナデナデ。

少し硬めの髪を、撫でて掬っていたら

キュッとお腹に抱きついて甘えてきた。

……………………ううん?

何に落ち込んでるんだろう。

「ヨシヨシ。」

抱きしめたまま頭を撫でていたら

「………………唯ちゃん、ごめんね。」って。

あれっ??

唯に謝ってる?

普段しっかりしてる先生は………グイグイ引っ張ってくれてとっても頼もしい。

けど。

こんな風に落ち込んでる先生も、可愛いくて好きなんだ。

本人に言ったら、お仕置きされそうで言えないけどね。

ただ、唯のことで落ち込むのは嬉しくない。

分かってあげれる、察しの良い彼女だといいんだけど

唯って…………鈍いからなぁ。

今日あったことと言えば…………

お遊戯会の準備と

航君と海晴ちゃんが登園してきたくらいだからなぁ。

まさか!

航君をクビにしなかったって………悩んでる?!

そんな事、本気で望んでると思ってるの??
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