キンダーガーテン四   ~私の居場所に~
それでも。

一人淋しくみんなの帰りを待っていた一年前とは

全然違う。

家族という括りに囚われて

コソコソ怯えながら帰宅していた両親と尋ちゃんは………。

それぞれの新しい家庭を持ちながら

逢いたいときに堂々と連絡しあって

またここで顔を合わせることが出来る。

四人や咲ちゃん、航君も。

結婚して、たとえバラバラになっても

ここに自分達の集まれる場所があれば

『元気?』って声をかけ、集まることができる。

ただただ離れて行くことに怯えて

一人静かにこのお家で待っていた時とは…………心が違う。

その居場所を作ってくれたのが

………………先生。

たった一年前。

でも………

ホントに大きく変化した一年だった。




後一月もしたら、新しい先生が入ってきて。

また全然違う環境が待ってる。

大好きな人が離れ、また新しい人と出会う。

それでももう!迷うことはないの。

だって、ここに居場所が出来たから。

決して

『心が離れることはない』って知ったから。

いつでも気軽に、帰ってきてくれる。

いつでも気軽に、帰っておいでと言ってあげられる。

そんなお家が出来たから。

その中心には…………先生がいる。

いつも広い心で受け止めてくれる先生が。
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