キンダーガーテン四   ~私の居場所に~
「こっちの食器棚には………
みんなのカップを入れようね!
お父さんとお母さん。
尋ちゃんと和也さん。
梓ちゃんに彩ちゃん、夏苗ちゃんと海晴ちゃん。
航君、咲ちゃん、洋介さんと圭哉さん。
お兄さんと美香さん、大樹君とお父さんとお母さん。
それから……………」

キッチンにセットした、真っ白な食器棚の前で

唯がはしゃいでいたら。

ポンポンと頭を撫でる先生が

「慌てなくても大丈夫。
みんなここに集まってくれるよ。
唯ちゃんのことが大好きな人達ばかりだから。
『ただいま』って帰ってきてくれるのを
ここにカップを揃えながら、ゆっくり待とう。」って。

そうだよね。

みんながいつでも来れるように

急いでカップを揃えなくちゃって思っていたけど。

先生とは、ずっとずっと一緒にいるんだもんね。

のんびり、ゆっくり。

みんなが来てくれるのを、待ったら良いんだよね。

先生の温かい心に触れて、思わず笑顔になったら。

「俺としては……………
当面、二人っきりが理想なんだけどなぁ。
アイツら全員。
待ってなくても押しかけて来るメンバーだからね!
ゆっくりしたい~って
悲鳴をあげることになるかもよ!」って。

確かに。

今日もそのお陰で

引っ越し業者さんが要らなかったんだもんね。

唯の両親と遠く離れる梓ちゃんは別として。

……………………………………

マンションと代わらず、賑やかになりそうかな?
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