キンダーガーテン四   ~私の居場所に~
今日、私と先生……尋ちゃんと和也さんは

久しぶりの我が家にお泊まりすることにしたの。

パーティーを終えて一息ついたとき

誰が言い始めたのか分からないくらい自然に

『お家に帰ろう』って決まってた。

明日、お父さんとお母さんに結婚の報告をする為に

ここにみんなで集まる。

来月売りに出されてしまうと………

もう、このお家に帰ってくることはなくて………

みんなで集まる最後の日になるの。

「でも、幸せだよね。
最後の瞬間が……こんな良い報告なんだもん。
尋も、お姉ちゃんも………
一番大切な人と一緒になれる報告を………同時にするんだよ。
困らせてやりたいって思ったけど………
最高の親孝行娘達だよね!」

ホント、尋ちゃんの前向きさは………素敵。

苦しみ、悲しみ、怒りと………

沢山の嫌な思いを経験したのに

どんなに泣いても……前を向ける。

偉いし、カッコいいし、尊敬する。

「明日、幸せになる報告をして……笑顔でここを後にしようね!」

唯の言葉に

「無理でしょう!」

「唯ちゃんには、無理かな?」

「う~ん………。
唯さんには、きびしいかも………」と和也さんまで。

失礼しちゃうなぁ。

唯だって、泣かない時もあるんだよ!

信用してない3人は、ニヤニヤ笑ってこっちを見てる。

良いもんねぇ~
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