キンダーガーテン四   ~私の居場所に~
「とにかく、そんな訳で………
俺と職場恋愛しても、別れるなんて事にはならないの。
唯ちゃんが、コイツのせいで随分悩んでたから
打ち明けたかったんだけど………
園に俺の立場をばらしたくなくてね。
唯ちゃんって……直ぐに顔や態度に出ちゃうでしょう?
それに、早くから話すと………逃げちゃうから。
今までの女は、俺の家を知って近寄って来てたから………
結婚を考える前に、別れた。
けど唯ちゃんは……俺の家を知ったら『おそれ多い。』なんて言い出して
離れて行きそうだったからね。」

「悠人君は、唯ちゃんが大好きだから離したくなかったんだって。
だから、可愛い甥の幸せを願って俺がキューピッドになったの。
忘年会でくっつけたり、カラオケに行かせたり………
叔父さんは大変だったんだよ。」

「ウソつくな!
邪魔ばっかりして、面白がってたくせに。」

「でも、結果的に二人の愛は燃え上がって上手くいったでしょ?」

…………………園長先生って……お兄さんによく似てる。

からかってるけど……先生への愛が溢れてる。

可愛いくて仕方ないって感じ。

クスクス笑う唯を訝しそうに見て

「だから、唯ちゃんもクビなんてあり得ないの。
むしろ、俺が園長になったら……誰よりも側で支えてくれないと!
一応今、根回しして………コウを引っ張ってるけどね。
アイツが資格を色々取りに大学に帰るのは、幼稚園を支えてもらうため。
だから、話してあるんだ。
唯ちゃんの支えは……………ちょっと心配だしね。
むしろ、唯ちゃんを支えてくれるメンバーを集めとかないとね!
海晴ちゃんにも、話す予定。
後は咲ちゃん。
ホントは……今のメンバーを全員って言いたいんだけど……
女の子は結婚を考えると……難しいからなぁ。
彩ちゃんはパン屋を支えるだろうし、夏苗ちゃんは……
いずれ実家に帰るって言ってたからなぁ。
梓ちゃんは……オーストリアだしね。」

そっかぁ、いつかみんなとお別れする日がくるんだ。

ちょっと淋しくなってたら

「ホントは、誰の支えが無くても……奥さんがしっかりしてくれると
幼稚園としても、旦那としても助かるんだけどね!」って。

あっ!そうだった。

今は先生が幼稚園を継ぐ話しだ。
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