キンダーガーテン四 ～私の居場所に～

前に先生は、『結婚したら一軒家に住みたい』って言ってたから

いつかは引っ越すのかな？って思ってたけど……

いきなりだな。

ここにやっと慣れたんだけど……

新しい所に慣れるなら、早い方が良いのかな？？

「先生と一緒なら何処でも良いよ。
何処か見つけたの？」

そう聞く唯に

「うん。
唯ちゃんが嫌じゃなかったらだけど………
俺は住みたいって思ってる。」

「先生が決めたならそれで良いよ。
駅から近い？
それとも……お庭があるの？」

唯の質問に

「大切な思い出がある。
唯のお家を買おうと思ってる。
あそこがあれば………
またみんなが会うことも出来るでしょ？」って…………

ウソ……………。

唯のお家って……。

…………先生、ホントに？？

「喜んでくれた？？」

コクコクと首を振ることしか出来ない。

だって、あのお家だよ。

離ればなれになるって覚悟してたのに………

「嬉し涙？
だったらキスさせてね。」

チュッて涙を掬ってくれる。

「明日、お父さんに連絡するね。
今度はあのお家で、俺達家族の時間を繋げて行こう。」

あのお家で、大好きな先生を待つ。

毎日「ただいま」って帰って来て、一緒にご飯を食べて……。



前に先生が

『俺なら毎日帰って一緒にご飯を食べるのに……。』って

言ってくれた事…………

現実になるんだね。