キンダーガーテン四   ~私の居場所に~
「ちょっと待ってね、ココアを入れるから。
先生はカフェオレ?ブラック?それとも………ココア?」

「う~ん…………唯ちゃん。」

もう~

酔っぱらいさんはほっといて、自分のココアとカフェオレを入れる。

「はい。入ったよ!」

お揃いのカップに入れて持って行くと

先に、ソファーに座って待っていた先生が手を広げる。

ちょこんと膝に座ると直ぐに、キスをする。

やっぱり何か悩んでるんだ。

何にかな?

口を離した先生が

「余裕だね??
何を考えてるのかな?
お仕置き。」って………またキス。

先生のことなのに………。

ひとしきりキスをして、後ろから抱きしめる先生。

甘えっ子だなぁ。

悩んでも分からない時は、聞かないとね。

「ねぇ、先生。」

「ねぇ、唯ちゃん。」

唯の声に被って、先生の声が…………

「あれっ?なぁに??」

聞き返したら「唯ちゃんが先に言って。」って。

別にどうしても聞きたかった訳じゃないけど……

話さないで、もっといじけると困るから

「先生って………何か悩んでる??」って聞いてみた。

「……………はぁっ??」

唯を横抱っこして、顔を除きこんでマジマジと見てる。

あれっ?変な事言った??

ハテナを頭に浮かべて見つめ返すと

「………………………やっぱり、自覚なしかぁ。」って

盛大にため息を吐く。

えっ!えっ!!

やっぱり、唯が何かしたの???

不安から、みるみる涙が浮かんでくる。

「ちょっ!!…………ちょっと唯ちゃん、どうした??」

焦る先生が、指で涙を拭ってくれる。

「だって………唯が何か…………困らせたんでしょ?
何かは………………分からないけど………。
自覚なしって………。」

ポロポロ零れる涙を拭いながら

「唯は………ホントに俺が悩んでると思ってるの?
唯じゃなくて??」って………

あれっ?

先生は唯が悩んでると思ってるの?
< 5 / 117 >

この作品をシェア

pagetop