キンダーガーテン四   ~私の居場所に~
「でも、先生が支えられるなら大丈夫じゃない?
もちろん支えるし、相談だってのるけど
誰かさんが放してくれないから、中々彩のウチに集まることも
出来ないくらいだもん。」

「それなんだけど………。
来年度、唯ちゃんには主任補佐になってもらうつもりなんだ。
園の裏の仕事も覚えて欲しいから。
主任がいるし、クラスもあるから
急に何もかもをする事はないけど……
俺がいない時もあるし、新人も沢山入るからね。」

「了解!
恭子先生の事もあるし、唯ちゃんを守って欲しいんでしょ?」

「それなら、先生に頼まれなくったってするよ。
唯ちゃんを泣かせたくないのは、先生だけじゃないですからね!」

「そうそう!
婚約したって、結婚したって……
唯ちゃんは、みんなのだもんねぇ!」

「悠人先生、俺も先生の右腕になるのは……
唯ちゃんを友人として守るためですからね。
夫婦喧嘩したら、理由関係なく唯ちゃんの味方ですからね!」って。

「生意気。」って笑う先生の笑顔は、とっても嬉しそう。

「後、引っ越しを3月にしたからよろしく。
唯ちゃんの為に、力も貸してよ。」って先生。

「引っ越しって??」

「唯ちゃんの家を買っちゃった。
一軒家だから、何人来て騒いでも大丈夫。
だから、しょっちゅう集まってやって。
彩先生の家だと、洋ちゃんが泊まれないからね。」

さりげなく、冗談交じりの会話なのに

「はぁ~っ。やっぱり、敵わないわぁ。」

「お見それしました。」

「愛だね~」って。

みんな、唯がお家を大切にしてきた事も

無くなる悲しさも知ってるから……………。

「唯ちゃん、幸せにしてもらうんだよ。
これで安心して、オーストラリアに行けるよ。」って梓ちゃん。

いっぱい心配かけて

いっぱい守ってもらって

いっぱい愛してくれる人達だね。
< 57 / 117 >

この作品をシェア

pagetop