キンダーガーテン四   ~私の居場所に~
海晴ちゃん…………。

ポロポロ溢れる涙で………ハッキリと顔を見ることが出来ない。

「…………………………唯ちゃん………。」

「海晴ちゃん、辞めないで!」

私の願い空しく…………

首を横に振る海晴ちゃん。

「どうして?」

「もう、無理だもん。
ごめんね。
先生と幸せになってね……………。」

全てを諦めきった目をする海晴ちゃんに、腹が立つ。

「ダメ。
航君を信じて!!
諦めないで。
自分を…………大切にしてよぅ…………。
海晴ちゃんは、私の大切な人なの!
大事にしないなら、嫌いになるよ!!」

ぺちっ。

頬を叩いた………………。

人生で初めて。

びっくり顔の海晴ちゃん。

でも……………

一番驚いたのは、私自身。

叩いた掌が……………熱く感じる。




ワァッ。

抱きついて泣き出す海晴ちゃん。

「ごめん。
ごめんなさい。
痛い、痛かったよね!
ごめんね。」

慌てて頬を擦り謝る唯に

「ごめんね……唯ちゃん。」と言ってしがみつく海晴ちゃん。

叩いたのは…………私だよね?

先生を見上げると、優しく微笑んで

「海晴ちゃん、ここだと近所迷惑だから
あげてもらえる?」って。

「…………………どうぞ。」

私の手をギュっと握ったまま、部屋にあげてくれた。

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