キンダーガーテン四   ~私の居場所に~
リビングの扉でモジモジしていたら

ヒョイと抱き上げられて、定位置に。

もちろん、先生の膝の間。

「悠~く~ん。」

拗ねても甘えても、全く動じない。

焦る唯を、面白そうに覗いてる。

「もう!」

痺れを切らせはぶてて唇を尖らせると…………

チュッとキス。

チュッ、チュッチュッ。

深くなるキスに息継ぎしたら…………

大人のキス。

もう一度チュッとして離してくれた時には…………

くったり。

力の入らない唯を抱き上げてギュッとすると

「お利口さんでした。
海晴ちゃんは、もう大丈夫だよ。」って。

だったらどうしてお仕置き?!

下から睨んでみると

「ヤキモチ妬いちゃった。」って。

ヤキモチ??

だって、海晴ちゃんは女の子だよ!

「海晴ちゃんに抱きついたり、キスしたりっていうのももちろんだけど。
唯ちゃんの純粋さに嫉妬した。
誰にも出来ないって言ったでしょ?」

先生が唯に嫉妬??

びっくりする告白。

唯が先生に嫉妬しても…………

先生が唯に嫉妬なんて、考えたこともないよ。

「大人になったなって思う反面…………
ちょっと淋しくなったの。
そろそろ唯のパパ役は………卒業かな?って。」

えっ…………

じゃあもう、甘えさせてくれないの??

「嫌!!」

ギュッとしがみつく唯に

「別に離れる訳でも、甘えさせない訳でもないから………
不安にならなくて良いよ。
むしろ、さっきみたいな大人のスキンシップが増えるかなぁ~」って笑ってる。

大人のスキンシップ?!

ちょっと不安だけど

スキンシップがあるならいいかな。

もう一度ギュッと抱きついたら

「おいおい、唯ちゃん。
俺の言ったこと分かってる?
大人のスキンシップだよ。」って。

安心した顔で瞼を閉じる唯を抱き上げて

『大人のスキンシップは………
まだまだお預けみたいだね。』と苦笑いを浮かべた先生を

気づくこともなく夢見心地になったのは…………。

ベットに運んでもらったからかな?

『唯って……………大人だよぅ~』

ムニャムニャ寝言を聞きながら

幸せな眠りに先生が入ったのは……………。

『明日、航を追いかけます。
お休み下さい!!』と力強いメールを確認してからだった。

さぁ、明日の始まりだ!
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