カタヲモイ、解消シマス。


ほんと、マスターったら。

どこまでお節介なの?


「君から僕の記憶を消してあげる」

「絶対にいや」

「関わらないほうがいいとは思わない? 人殺しなんだよ、僕。最近ニュースで取り上げられてる謎の多く残る殺人事件の犯人。それは僕だ」

「あれはわたしを助けるためだったんだよね」

「……それだけじゃないと言ったら?」


僕から絶望を食われた人間は

生きていても心がない。


そんなの死んだも同然でしょ。


「善悪の判断はわたしがしていいんだよね?」


それは、僕が青葉に言った言葉だった。


「すきなの」


僕の心臓が、一段と大きく鼓動する。


まいったな。


ココの仕組みは

人間と、よく似ているらしい。


君を目の前にして平常心が保てなくなっている。


また君と話すことができてたまらなく嬉しい。


だから僕の胸がこんなにも高鳴っている。


「それで。僕にどんな依頼を?」

「茶化さないで。……それなら、ちゃんとフッてくれた方が嬉しいよ」

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