カタヲモイ、解消シマス。


「もう少し……なんとかなりませんか」

「ならない。タダでアドバイスが欲しいならクラスの子にでも相談すればいい。僕は君の友達じゃない。払わないなら、これ以上の会話は無駄になるからそれ飲んだら帰ってね」

「冷たいんですね」

「どこが? 説明してあげるだけ優しいと思ってよ。占いでも、経営アドバイスでも、なんでもそうだけど。人の力を借りるならそれなりの対価を支払うものだろ?」


髪を切るなんてハサミさえあればできることを、美容室で数千円から数万円かけて施してもらうのだってそうさ。


サービスを。技術を。

見えないものを、金で買っている。


髪なんてすぐに伸びるのにね。

人間って本当に贅沢な生き物だと思うよ。


「いつもそんなにお金をとってるんですか」


そんなに、か。

やっぱり学生は儲からないな。

その分、悩みが小さいから助言も簡単だ。


まあ、中には

とびきりのもあるから一概には言えないけどさ。


「これでもサービスしてるんだよ。君は見たところ、普通の学生みたいだし。ずっと叶えたかった願いが叶うんだ。安いものだろう? まあ、高いと思うか安いと思うかは君次第だけど」

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