カタヲモイ、解消シマス。


3日にあけず、青葉は僕の元にやってきた。


まったく

『恋』なんて、いくらでもあるのに。


今、自分が想いを寄せる相手を

まるで一点ものの宝物のように扱う。


そのためなら金もかければ時間も惜しまない。


片想いする人間って実に単純だね。


「やあ、青葉」

「これでお願いします」


青葉から封筒を受け取り、中を確認する。


折れ目のない新札の一万円札が、三枚。


「どうやって用意したの」

「そんなこと。……言わなきゃならないんですか?」


おっと

こいつには僕の機嫌をとるなんて考えないんだな。


あわよくばサービスしてもらおうとか。

友達になって都合よく利用してやろうとか。


そんな考えなしに、純粋に、アドバイスを乞いにきたんだ。


お客さんとして。


ほんと、真っ白だねえ。

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