カタヲモイ、解消シマス。


「いいや。さっそく本題に入ろう」

「よろしくお願いします……!」


僕の前に腰をおろした青葉が、膝の上でギュッと手に力を込める。


「あ。領収書でないけどいいかな」

「領収書?」

「レシートみたいなもの。出せないんだ。資格も届け出もない人間が、法外の相談料とってるなんて知れちゃマズいでしょ」

「……悪いことしてる自覚あるんだね」

「まさか。僕は君のためにアドバイスするんだ。それが悪いこと?」

「だけど。法律違反ってことは認めるんだ」

「法がなに? 犯したら殺されるの?」

「悪いことを続けると、最悪死刑になるでしょ」

「あは。この国の、年間あたりの死刑の執行数知ってる?」

「……いいえ」

「じゃあ判決をくだされたものの、死刑されずにいる人間の数は?」

「わからない」

「調べてみるといい。ビックリするほど少ないから。親が子供殺しても、車でひき殺しても、過失扱いされた殺人犯はのうのうと生きてるよ。それどころか犯罪者の命を尊重してくるよ。そんなクソみたいなものに従いたくないね」

「なにが言いたいの」

「善悪は結局は自分で判断したらいい」

「……自分で?」

「僕に金を払った時点で君も共犯ってこと自覚してね」

< 17 / 110 >

この作品をシェア

pagetop