カタヲモイ、解消シマス。
「いいや。さっそく本題に入ろう」
「よろしくお願いします……!」
僕の前に腰をおろした青葉が、膝の上でギュッと手に力を込める。
「あ。領収書でないけどいいかな」
「領収書?」
「レシートみたいなもの。出せないんだ。資格も届け出もない人間が、法外の相談料とってるなんて知れちゃマズいでしょ」
「……悪いことしてる自覚あるんだね」
「まさか。僕は君のためにアドバイスするんだ。それが悪いこと?」
「だけど。法律違反ってことは認めるんだ」
「法がなに? 犯したら殺されるの?」
「悪いことを続けると、最悪死刑になるでしょ」
「あは。この国の、年間あたりの死刑の執行数知ってる?」
「……いいえ」
「じゃあ判決をくだされたものの、死刑されずにいる人間の数は?」
「わからない」
「調べてみるといい。ビックリするほど少ないから。親が子供殺しても、車でひき殺しても、過失扱いされた殺人犯はのうのうと生きてるよ。それどころか犯罪者の命を尊重してくるよ。そんなクソみたいなものに従いたくないね」
「なにが言いたいの」
「善悪は結局は自分で判断したらいい」
「……自分で?」
「僕に金を払った時点で君も共犯ってこと自覚してね」