カタヲモイ、解消シマス。
青葉の隣に移動し、彼女の身体に触れる。
「ちょっ……なにするの?」
「ボディチェック。証拠おさめられちゃ、困るんだ。万が一、録音されてたらやだなって思って」
ポケットから携帯を取り出す。
「し、してないよ!」
「ほんと? ボイスレコーダーとかも持ってない?」
「持ってないから。心配なら鞄の中も調べてもいいよ。っていうか、あの」
「んー?」
「……近い、よ」
当たり前でしょ。
今、僕は
突然近づいたときに君がみせる反応を
わざわざ確認してるんだから。
(へえ。そんな顔しちゃうんだ)
白い頬は桃みたいに染まってる。
ビクッと震わせた肩。
想像してたより、ずっといいねえ。
「なくて、いいです。領収書」
「そう?」
領収書のハナシだって。
狙ってるに決まってる。
もしも知識を得た君がここで調子に乗って
法外な営業をしてることをエサに僕に脅しでもかけてきたら
――今すぐに絶望を見せてあげようと思っただけ。
「欲しいのはアドバイスだけだから」
青葉は、驚くくらい素直だね。
君のような人間が来るのは本当に珍しい。
悪い子ならお仕置きしたけどその必要ないみたいだ。