カタヲモイ、解消シマス。
「縁結びくん……?」
「なんでもいい」
(どうせもう話すこともない)
カウンターでマスターが口元を歪めているのが視界に入った。
おおかた小娘から“縁結びくん”呼ばわりされているのを見て笑いを堪えているのだろう。
「あ! それじゃあ、イズモくん!」
「一応聞いておこうか。その由来は?」
「縁結びの神様といえば、出雲大社かなって」
「そんなところだろうと思ったよ」
いつまでこのくだらない会話に付き合わなきゃならないんだろうね。
「ねえ」
「……まだなにか」
「あなたは好きな人と結ばれた?」