カタヲモイ、解消シマス。
「……は? 僕が?」
「恋愛の達人なら。片想い実らせたんだなって」
恋愛の達人なんて、ひとことも言ってない。
僕は目の前の人間の欲望を引き出し
相手を好きに動かせる。
だからそう捉えることもできるが。
僕自身は、愛だの恋だのにまるで興味がない。
「効果を知りたいなら僕の体験談より。さっき教えたことを実行してみた方が、格段に――」
「違うよ! 単純に羨ましいなと思っただけ。それに恋のキューピットできるのって、やっぱりあなたが優しいからだよね」
今更媚びているわけではないだろう。
青葉は思ったことをなんでも素直に言う子だ。
「イジワルとか言ってごめん」
「金とられてよくそんなこと言えるね」
「それは、だって。ビジネス……なんでしょ?」
案外物分りがいいじゃないか。
「イズモくんは、とても若く見えるけど……。こうして稼いだお金で暮らしてるの?」
「そろそろ帰りなよ。僕は君の友達じゃない。世間話はここまでだ」
「……うん。ありがとう」
「こちらこそ。ご利用ありがとうございました」