カタヲモイ、解消シマス。
「うん」
「効果があらわれなければ?」
「あり得ない。今夜にでもリョウは、青葉のこと女の子として意識するさ。あんな子に密着しながら誕生日一緒に祝いたいなんてねだられたら理性揺らいで欲しがるにきまってる」
「やはりそうでしたか。彼はそもそもに、青葉さんを家族のような目では見ていなかったのですね?」
「ああ」
「意地悪な人だ。そう教えてあげればよかったのに」
「つまらないだろ。答えなんて聞いても」
「だったら、なおさら、いずれ付き合うことになるんじゃないですか」
「いいや。リョウにとっての青葉は、現段階では汚れなき天使のような存在なんだ」
「視てきたんですね。金を用意させる間に」
「リョウの青葉への気持ちが恋心に変わることが。果たして青葉にとっていい影響を及ぼすだろうか」
「本当に意地悪な人だ。答えならとっくに知っているのに、そんなとぼけたことを言う」
「君だって。まさか僕があの子の幸せ願ってアドバイスしたなんて思ってないよね」
「ええ、もちろんですよ。せいぜい、あの子はその彼に遊ばれ捨てられるのでしょう?」
「そうさ。今が一番幸せなんだ。青葉は、リョウにとってごく普通の女の子になる。そうすると、リョウの気持ちは途端に冷める。特別な幼なじみが、ただの女になってしまうことでね」
「どちらが幸せなんでしょうか。幼なじみとして、片想いしながらもそばに居続けることと。僅かでも恋人関係になり、悲しい結末を迎えるのと」