カタヲモイ、解消シマス。


「……もちろん、わかってます」


目の前のミルクティーを口に運ぶ少女。


それを飲んで落ち着いてなんて、よく言うよね。


さっき僕が頼んで混ぜさせたクスリが入っているのに。


あの薬には情緒を安定させるどころか不安定にさせる成分が含まれている。


目の前にいるのは、大金持ちのお嬢様だ。


そして想いは最上級に重い。


逃さないよ、こんな良客は。


「結論からいうと、君は先生を手に入れられる」

「本当に?」

「ああ。ただし、急いだほうがいい」

「どうしてですか」

「君以外に夢中になる恋人ができてからじゃ手遅れになる」

「嫌……!」


さっきまでのお嬢様顔が崩れ

僕の言葉に途端に豹変した彼女は、気品のかけらもない表情を浮かべている。


「だろう? ならば、行動は早いほうがいい」

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