カタヲモイ、解消シマス。


「友達に、話します。先生のことは諦めたと」

「ああ。本気で先生が欲しいなら、誰にもバレないように心がけるといい」

「それで。どうアプローチすればいいんです?」

「僕が仲立ちしてあげるよ」

「え?」

「君が目立つ行動をとれば周囲の目に触れる」

「でも……」

「愛の告白は自分からしたい?」

「えっ……いや、」

「わかった。先生から君にアプローチさせてあげよう」

「嘘。そんなこと、叶うわけない!」

「叶うさ。僕の言うとおりにすれば」

「……いくら必要ですか?」

「三百万」

「それで先生が手に入るんですね?」

「約束しよう」

「お支払いします。なので。どうか急いで下さいね」


鞄から携帯を取り出すと、どこかに電話をかける少女。


「お金は、現金で。うちの者にここまで持ってこさせます。確認次第よろしくお願いします」

「オーケー。でも、なんて言い訳するの? 喫茶店の支払いがそんなに高額になることはないってわかるよね」

「このお店の高価な花瓶を割ってしまったとか。いくらでもできます。もっともお小遣いの使い道を確認されることなどありませんが」

「怖いね。そうやって君は金でなんでも手に入れてきたの?」

「あなたこそ。なにをするかは聞かないですけど。他人の人生、散々変えてきたのでしょう?」

「もう帰っていいよ。バイバイ」

「言われなくても帰ります」

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