カタヲモイ、解消シマス。
森川からは、どこかインモラルな雰囲気が漂っている。
とても教職についているとは思えない。
休みの日や勤務時間外になにをしていても彼の自由とはいっても、問題は、洒落たスーツを着て酒を飲んでいることではなく。
そもそもに、
ここがどんな店か……ってことが重要なわけで。
(あの子、ヤバいのに目をつけたねえ)
僕を見つめ続ける森川は整った顔をしている。
男に免疫のない女子校育ちの女の子がコロっと落ちてしまうのも納得だ。
でもね、気を付けたほうがいいよ。
普段紳士なやつほど頭の中なに考えてるかわかんないんだから。
「お兄さんにお願いがあるんだ」
すると、森川が目を細める。
「私が誰か知っているのか」
「森川センセイ。でしょ?」
「……お願いって?」
「口説いて欲しい女の子がいるんだ」