カタヲモイ、解消シマス。


あーあ、これだから。

驕った大人ってダイキライ。


「君は少女の願いを叶えたい。私は少女の願いを叶えるために自分自身の願いを叶える」

「へえ。センセイの望みって、なに?」

「君が欲しい。今すぐに」


そういって、手を握ってくる。

はあ。

こんなやつのどこがいいのかなー。


「ごめんね、センセイ。僕は高いよ」

「いくら必要だ」

「お金じゃないんだよね」

「は?」

「センセイの、とびきり絶望するところ見せて欲しいな」

「絶望って……」

「もちろん先払いだし。お楽しみは支払ったあとにね。元気、残ってたら」


僕の言葉を理解しきっていないバカなセンセイに耳打ちする。


「とにかく卒業までは、あの子を目一杯甘やかせろ」


すると、センセイの目から光が失われ

さっきまでの自信に満ちた表情も消えていく。


「……わかりました」

「お利口だね」

「私に、任せて下さい」

「器用だね。奥さんも子供もいてさ。隠れて悪いことをしながら。教え子とも関係持てるなんて」

< 36 / 110 >

この作品をシェア

pagetop