カタヲモイ、解消シマス。


「絶望を手に入れたいならさ。なにも恋愛でなくてもいいんじゃないか?」

「えー。恋愛が手っ取り早いじゃん」

「ほら。株で大損させるとか」

「全然見てて楽しくない」

「あー、そうか。お前悪趣味だもんな。女の子が不幸になってくとこ見たいんだったな」

「なんとでも言えばいい」

「あの子、どうしてる」

「どの子」


数えきれいくらいお客さんならいるからなー。


「青葉って子だよ。幼なじみと結ばれたがってた」

「あー、あの子か」

「お前のことイズモくんとか呼んでた」

「いたね。そんな子」

「なんで過去形なんだよ」

「あの子、変わっちゃったんだ」

「え?」

「相手の男をその気にさせるのはうまくいった。だけど。それでおしまい。やっぱりできないって断ってたんだよね。せっかくいい雰囲気になってたのに」

「予想外の展開だな」

「やっぱり人間ってよくわからない。あのまま、ことが進んでたら数年後にはご馳走が食べられたのに」

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