カタヲモイ、解消シマス。
「使えばいいだろ、力。青葉ちゃんをもう一度幼なじみに夢中にさせれば、計画続行だ」
マスターは本当に人間なんだろうか。
僕も人のこと言えたもんじゃないけど、僕以上に人間の心を軽視しているように思う。
「しないよ、そんなこと」
「散々悪魔の囁きして金をふんだくるお前も。あの子が不幸に陥るのは背中押して見届けられても。あの子の心まで変えたりはしないか」
「別に僕は青葉にこだわってるわけじゃないよ。気が乗らないだけ」
「優しい悪魔だねえ。でも、どうして十年想ってた恋が冷めたんだ?」
「理解不能だね。お金まで用意して、誕生日祝いたいってあんなに張り切ってたのに」
「結局誕生日は?」
「一緒に祝ってたよ。リョウの家族と、みんなで」