カタヲモイ、解消シマス。
「慈善事業してないんだ。サービスを受けるのにお金がかからないなんて都合良すぎると思わない? 弁護士雇えば相談料かかるし。習い事すれば、やっぱりレッスン料かかってくるよね」
さて。
ここで引き下がるなら、それでもいい。
僕は特段困らないさ。
ボランティアする気、ないからね。
「……わかった。でも、いくらかかるの?」
「今は、なんとも言えないや。相談内容によって変動するから」
僕が肩をすくめると、座れと言ってやったわけでもないのにテーブルを挟んで向かい側のソファに腰をおろした少女。
焦ってるねえ。
困ってるねえ。
慌てなくても逃げないよ。
「こちらから聞かせてもらいたいのは、三点。どこでここを知ったのかのアンケートと。君が、誰かということ。そして、望みについてなるべく簡潔にまとめて教えて」
「あなたのことは、SNSの書き込みで見たの。縁結びの神様みたいな恋愛のスペシャリストがいるって。半信半疑でネット情報を頼りに探したら、噂の喫茶店と特徴の一致するお店があったから……入ってみたの」