カタヲモイ、解消シマス。
「なにが言いたいの」
「片想いの楽しさは、好きな人を想ってドキドキしたり。あれこれ妄想してみたりさ。好きな人がいるから頑張れたりするところに意義があると思う」
「やがて訪れる失恋は、失敗じゃないと?」
「そりゃ、叶うにこしたことはないよ。だけどみんながゴールできたら、モテ王子は彼女を無限に作らなきゃいけない。そんなの無理だよね。だから、楽しめるうちは楽しめばいいんだよ」
「なにそれ負け犬の遠吠えっぽい」
「ちがうよ……! 辛くなったら逃げてもいい。伝えたきゃ伝える。成功しないからって、それは人生の失敗ではないの。失恋から学んだり強くなれたりするの」
青葉、こんな前向きなやつだっけ。
初めて会ったときは初恋をなにがなんでも実らせなきゃこの世の終わりみたいな焦り方、してたクセに。
「……っていうか。そんな力説しなくても」
「え?」
「君の片想い相手は僕で。僕は君をこっぴどく振ったこと、忘れてないよね」