カタヲモイ、解消シマス。


インターネットって、便利だよね。


紙のチラシと比べられないくらい

すごい情報が驚くはやさで拡散されて、あとはこっちが寝ている間に興味のある者が自分で拾ってくれる。


それが、たとえば

『簡単に痩せられる』『ブラ2カップサイズアップ』

そんなアオリ文句だったなら。


疑いながらも手を伸ばしたくなる人は少なくないのだろうし。


こうやって恋愛成就のために僕を探し出して会いに来る子がいるのもまた必然的だね。


藁をも掴む

最後は神頼み


好きだよね、みんな。


すがりたくなるくらい

想いを膨らませてしまう。


だったら利用しないわけにいかない。


だけど少し情報を拡散しすぎたかな。


おしかけられ

ここに長蛇の列ができ

話が大きくなっても困るから嘘も混ぜて調整しておこう。


「わたしの名前は、青葉(あおは)。高校1年。望みは、好きな人に女の子だと思ってもらうこと」


女の子だと思う?


「君はどう見ても女子だけど」

「それでも。見てもらえないから」

「恋人になりたいわけじゃないのか」

「そりゃ、そうなれたら嬉しいよ。でもね。まず、越えられない壁があって」


ハッキリ話す子だな。

ここまで足を運ぶくらいだから行動力があるのはわかるが、友達を連れてきたり、一人で来てもなかなか話し始めない者もいる。


友達と来た場合、依頼者以外は僕と会話しないのがルールだ。


別の席で待たせるか、外に追い出す。


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