カタヲモイ、解消シマス。


「だけど、彼に会いたいならここに来たらいいですよ。たいてい私の傍にいますからね」

「気持ち悪い言い方しないでよマスター」

「事実でしょう?」

「…………」

「あと。会いたくなれば、大きな声で呼ぶといいです。とても耳がいいので」


耳がいいのは否定しないが、正義のヒーローかよ僕は。

もしくは青葉のパシリにでもならなきゃいけないの?


「ただ、僕は屋外が嫌いなんだ。雨も日差しも。ここは地下だから煩くないし気温も高くない。この店の環境が気に入っているのであって、マスターのストーカーしてるわけじゃないさ」

「あ!」

「なんだよ青葉。大きな声出して」

「それってつまり。静かで涼しい場所が好きなんだよね」

「……だから?」

「イズモくんのことが知れたなって思って」


ねえ

なんでそんな嬉しそうな顔、向けてくるの。


「やった」

「……バカだね。君は」

「え?」

「僕なんて好きになっても幸せになれないのに」

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