カタヲモイ、解消シマス。


「つまり。幼なじみの男との距離が物心ついたときには近く、今更恋愛関係に発展しないってことが言いたいの?」

「……その通りだよ」


悲しい現実を再確認させられのがよほど嫌だったらしい。

青葉が耳とシッポのたれた子犬のようにシュンとなるのがわかった。


「アタックは、してる?」

「もちろん。好きって言っても、『ありがとう』『俺も』って返されて終わっちゃう」

「両想いじゃないか。僕の出番はないかもね」

「それはない!」

「なぜ」

「彼女、いるもん。……すごくモテるんだよね。その手のアタックはされ慣れてて、それで挨拶みたいに返されるだけだよ。誰に言われてもニコニコ答える。彼女ひっきりなしにいて。あんまり長続きしてないけど、入る余地ナシって感じ。せめて女の子としてみてもらえたら、なにか変わるかもしれない」


グラスを持つと、ストローに口を運んだ彼女は、十分に魅力的な女性だ。


どこかおさな気な雰囲気があるものの、同年代の男が放っておくとは到底思えない。


艷やかなストレートの髪も、白い肌も、大きな目も。


ナチュラルな長いまつ毛もぷっくらとした唇も。


誰もが羨むようなものを生まれつき備えているのだから。


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