カタヲモイ、解消シマス。


「ねえ。青葉に、なにしたの」

「な、なにもしてねえよ!」


チンピラの一人が声を震わせて答える。


「してなかったらこんなにぐったりとしてないでしょ」


僕は自分の着ていたパーカーを青葉に羽織らせた。


青葉には大きいがワンピース代わりにはなる。


「まだ、してない!」

「……『まだ』?」

「こいつが言い出したんだ。俺はやめとこうって言った。だけど、未成年のは高く売れるからって」


部屋にはビデオカメラが数台セットされている。


「兄貴、俺です。変なやつが現れて……!」


チンピラの一人が隣の部屋で電話をかけている。

応援を呼んでいるようだけど、バカだねえ。

死体が増えるだけだよ?


もちろん僕に聞こえているとは考えてはいないのだろう。


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