カタヲモイ、解消シマス。


「やべえよそいつ!」

「逃げろ!」


逃がすと思ってるの?


「……イズモくん?」


腕の中の青葉が、目を覚ました。


「なんで。イズモくんが」

「言ったでしょ。呼べば来るって」

「それを言ったの、マスターさんだよ。全然乗り気じゃなかったよ、イズモくん」

「だけど君は僕を呼んだ」

「わたし……え、イズモくんの服を、着てる」

「気に入らない?」


小さく頭を横に振る青葉。


「ありがとう。来てくれて、ありがとう」


震えるほど怖い思いしておいて

僕にお礼言ってる場合じゃないだろう?


「バカ」

「え……?」

「巻き込んでごめん、青葉」

「…………」

「全部忘れさせてあげる」

「どうし……て……ひっ、」


あたりを見渡す青葉が


そこら中にある血溜まりを見て顔を青くさせる。


「もう二度と君が怖い想いしなくていいように。今見たことも。僕のことも記憶から消すんだ」

「……っ」

泣きそうな目で僕の目を見つめてくる青葉。


そんなに僕が怖い?


「マスターってほんとウザいよね。彼の言うとおりさ。案外、僕は君を気に入っていたらしい」

「イズモ、くん」

「サヨナラ青葉」


おやすみ、青葉。

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