JKのアタシが異世界転移したワケなんだけど、チートなのは相方の方でした
第1話 『宮間千尋は極普通のJKだった』
本当に突然なんだけどーー。
 アタシには『捨て子だった』って言う衝撃の黒歴史がある。



 本当の両親の事は全く覚えていない。
 仕方ないって。だってその時のアタシはまだ喋るどころか、ハイハイもできない赤ちゃん
だったんだもん。
 少し大きくなってから、自分についての記録を見て、自分が新生児の時点で児童養護施設
に保護されたこと知ったくらいだったしーー。
 

 事故で亡くなったのか、それとも事件に巻き込まれたのか。経済的な理由かーー。
 あるいは、生まれてくる事を望まれていなかったアタシを捨てたか。
 憶測だけならいくつでも上げられた。
 小さい頃はそのことがものすごく疑問で、施設の大人達に「私のパパとママはどこ?」「いつ、私を迎えに来てくれるの?」と毎日のように聞いて周っていた。
 聞くたびに誰もが口を濁したし、すぐに話題をすり替えられた。
 最初は答えてくれない大人達の反応がもどかしくて、膨れっ面をしていたけれど、何となく「聞いてはいけないことなんだ」と子供ながらに理解して、聞くのをやめた。
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