JKのアタシが異世界転移したワケなんだけど、チートなのは相方の方でした
第3話 『姓名判断師はいないけど、名前を変更します』
「ええっと、iPh●ne……さん?」
「はい、マスター。何でしょう?」
どことも分からぬ深い森の中。
そこに木々をなぎ倒して出来た爆心地よろしくなクレーターにアタシ達は立っている。
まずだ。
解決すべき最優先の問題はここだ。
この男――自称『iPh●ne』の呼び名だ。
名前がいくら何でも呼びづらい上に、何かに引っかかりそうな気がする。
下手に連呼すると、もう亡くなったはずのア●プル創始者の眼鏡のおじさんが墓から這い出てきて、片手に持ったリンゴをグシャッと握りつぶしながら「次は君の番だ」とか言い出しそう。
ヒェ、超怖いんですけど。
アメリカは権利を侵害されたら即裁判が基本の社会。
相手は、それはそれは大きな会社だから、やり手のお抱え弁護士を何人も雇っているはず。
アタシの敗訴確定じゃないですかヤダー……。
JKにして、アタシの人生が金銭的、法令的な意味で終わってしまう。