JKのアタシが異世界転移したワケなんだけど、チートなのは相方の方でした
でも確かに……。
アタシは空を見上げた。
相変わらず綺麗な青空が広がっている。
目線を戻して周囲をぐるりと見回してみる。
――森だ。
ただし、熱帯雨林のようなジャングルではない。いたって普通の落葉樹の森だ。
マンホールに落ちたはずなのに、目を開けたら大空。
そして、樹海に落下。ネットもGPSも使い物にならない……。
行き着きたくなかった答えが脳裏に浮かぶ。
「つまり……アタシ達は、異世界にでも来ちゃったって事?」
「現実的ではございませんが、その様でございますね」
数時間前まで、『異世界なんてねーよ!』とか言ってたの誰だよ!
……アタシだよ!
「嘘だぁ……ありえないって。異世界トリップとか、アタシの専門分野外だって! アタシ、オタじゃないし、トリップ信者でもない。極々普通の女子高生だよ?」
頭を抱えて、うわ言の様に呟いてみるがこんな事をしたって状況は変わらない。
「Hey,フジサキ」
「はい、聞いていますよ?」
元端末機は冷静でいられて良いよなぁ……。
唸るアタシを前に無表情で突っ立っているフジサキ。
ごめん、ちょっとイライラしてきた。その綺麗な顔をぶっ飛ばしたい。