JKのアタシが異世界転移したワケなんだけど、チートなのは相方の方でした

「異世界から地球に帰る方法、教えて」

「帰る方法で良いのですか? 異世界に転移または転生した方は、その世界でチート能力を何らかの方法で入手し、俺TUEEEで快適に過ごされます。帰り方よりも異世界転移あるあるで検索した方がよろしいのではないですか?」
 
 それ、どこのweb小説設定ですか?  
 何でそんな『へぇ、意外だなぁ』みたいな顔でこっち見んの?
 ムカつくわぁ……。

「アタシ、そんな願望持ってないからね。それは現実に不満がある人がすることであって、不満のない幸せな生活をしてたアタシは元の世界に帰りたいんです」

「そうでございましたか、申し訳ございません。この場合、比較的状況が酷似しているRPGなどの基本を則りましょう。まず我々が最優先で行うべきは【情報収集】でございます」

「情報収集?」

「はい。今の我々には判断材料が少なすぎます。まずはこの世界が何処なのか? それを知る必要があります。そこから更に情報網を広げ、行き着く先に『帰る方法』がヒットする可能性がございます」


 なるほど、確かに一理あるな。
 アタシ達はこの世界を全く知らない。
 それでは、『帰る方法』も見つかるわけがないとフジサキは言いたいのだろう。
 異世界トリップを『楽しむ』必要はないが、『知る』『理解する』必要はある。
 つまりは、必然的にアタシ達は誰かとコミュニケーションを取らなければならない。
 やるしかない。こうなったら腹を括ろう。
 よっしゃ、いっちょやったるか!

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