JKのアタシが異世界転移したワケなんだけど、チートなのは相方の方でした
この場に会話できる相手はいない。
つまり、人がいそうな所まで移動しなければならないと言う事だ。
しかし、樹海を闇雲に歩き回るのは危険だ。
遭難者がついついやってしまう駄目なパターンだ。
「ねぇ、フジサキ。ここから移動しようと思うんだけど……近くに人が住んでそうな場所とかはない? 何とか調べられないかな?」
「それでしたら先程、上空からそれらしき集落を発見致しましたので問題ございません」
あの状況で集落を見つけていただと!?
おいおい、マジか。
フジサキ、お前は何て出来たヤツなんだ。
集落と言う事は、この世界にも人間がいるのか。
言葉は通じるのだろうか? ちょっと心配だ。
「じゃぁ、そこまで案内お願いできる?」
「もちろんでございます。さぁ、こちらです」
そう言ってフジサキは歩き出した。アタシもそれに付いて行く。
この分なら案外、すぐ『帰る方法』が見つかるかもしれない。
好調な滑り出しだ。
「それにしても……」
ニマニマしているとフジサキが突然振り返った。
何々、どうしたのよ?
「先ほどからこちらを覗っているあの巨大な生物は、一体、何と言う種類の生物なのでしょうか?」
フジサキの呟きにアタシの思考が止まる。