JKのアタシが異世界転移したワケなんだけど、チートなのは相方の方でした
チャイムが鳴った。
こちらに手を振りながら集まっていた友人達が自分の席やクラスに戻っていく。
アタシもそれに声を掛けながら手を振りかえす。
さぁ、次でこのかったるい中間テストも最後だ。
世界史は別段、得意でも苦手でもない。
覚えたことを真っ白な答案用紙に書いていくだけの単純作業だ。
担当教官がテスト用紙の束を持って教室に入ってくる。
さて、テストが終わったら何をしようかな?
テストを始める直前に見上げた窓の向こうは、早めの梅雨入りをした最近では珍しく晴れ晴れとした青空だった。
何も起こるわけがないのだ。
『どこか別の世界』――。
そんなのは存在しやしない。
行きたい奴は、勝手に行けばいい。
その時のアタシは、ただ安直にそんな事を考えていたんだ。
これから自分がどうなるかも知らないで――。