JKのアタシが異世界転移したワケなんだけど、チートなのは相方の方でした

 アタシは落下していた。もの凄い速度で……。
 それはそれは綺麗な青空を、下へ下へと。


 ちょい待ち! だから、マンホール何処行った!! そしてここは何処だッ!?


「おわぁああああ!? ど、どゆことー!? マンホールは!? つーか、マジもんの浮遊感! あっちゃー! JKに浮遊感与えちゃったかーー! あーー、でもコレはコレでグチャクチャの人体でできたもんじゃ焼き不可避な感じの悲惨な姿で死んじゃうぅうううッ!! 誰か、アタシに今からでも全然OKだから、パラシュートをくださぁああいッ!!」

 必死に腕をバタつかせてみるが、効果は一切無し。減速するわけがない。
 だって皆さん、想像してみてくださいよ。
 ノーパラシュートのスカイダイビング……恐怖しかないでしょ?
 いや、そんな事よりも……。

「誰か、助けてぇえええええ! ヘルプミィイイイイ!」

 空中に人がいるわけない。そんなことは分かっている。
 でも、こちとら死にたくないんじゃい!

「――かしこまりました。只今、お助けいたします」

 ほらぁ、誰もいない。
 いるわけがないんだよ。空の上になんかさぁ………て、はい?

< 9 / 30 >

この作品をシェア

pagetop