Short stories
Side Mikoto

ふわりと笑ったその人は、やはり素敵で……初対面の時の嘘っぽい笑顔じゃない事に私はなぜかホッとしていた。

やけになってフラワーショップに飛び込んだ28歳のあの日。

思いがけない出会いだったが、私はあっという間に元カレの事など頭に浮かばなくなった。
自分でも調子がいいとは思う。

でも、彼の前では最初がひどかったせいか、自分を繕う事も、無理をすることもなかった。

どちらかといえばいい子タイプで性格のきつい私は誤解されやすく、可愛げがないと言われることが多い。

そんな自分を笑って「かわいい」といってくれる彼は少し変わっているのかもしれない。


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