Short stories
Side Mikoto

目の前で完璧な笑顔で元カレに対応するあきくんを、私は啞然として見ていた。

いつも自信満々で私に威圧的な態度を取っていた元カレが、慌てふためいている。
 
「悪い。余計な事をした」

そんな事をいうあきくんに、私はブンブンと頭を振る。

ようやくデザートまで決め終えて、注文を済ませると私はホッと息を吐いた。

いきなり現れた元カレの事より、目の前の今日のあきくんにドキドキしてしまう。
いつものラフな格好ではなく、今日は完ぺきなスーツ姿。
それが何の違和感もないのが、先ほどの会話で分かった。
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