お前なんか×××!!!
…結局、家に帰りついたのは、午後10時過ぎ。

ずっと付き添ってくれていた仁は、私を部屋まで送り届けてくれた。

「…ありがとう」「いや、独りで大丈」

ぐうぅぅぅぅぅ。

安心したのか、二人のお腹が同時に鳴った。

そのせいか、更に心が和んでしまい、二人で声をあげて笑うも、私は慌てて仁の口を押さえた。

「…んだよ」
「近所迷惑」

「…ぁ」

私の言葉にばつの悪そうな顔をした仁に、私は困ったように微笑むと、言った。

「ご飯でも食べてく?昨日の残り物だけど」
「いいのか?」

「帰っても何にもないでしょ?」

私の言葉に、仁は素直に頷くと、中に入ってきた。

…エプロンをつけ、IHの電源をつける。鍋の中には、昨夜作った肉じゃが。冷蔵庫から鯖の切り身を取り出すと、焼く。
味噌汁は流石に即席だったが、それらを仁の前に並べる。

「…ほら、食べて」
「あ、あぁ」

自分好みの味なので、不味かったらどうしようと、仁を凝視する。

「どう?」
「…旨い」

嬉しくなって、満面の笑みになる。

「料理なんて、出来ないのかと思った」

その言葉に、一気にシラケる。

「ホントに、アンタッて、憎まれ口しか言えな「これ」

そっぽを向いて、そう言ってたら、机に何かを置く音がして、私はそちらを見た。

「…何これ?」

机の上には、ブランドものの細長い箱。

どこからどう見ても、プレゼント。

意味がわからず首をかしげる。

「話があるって言ったよな?」
「それとこれの意味って???」

仁は、はぁっと大きなため息をついた。

「なによ」


「自分の誕生日も忘れたのか?」



…あ。忘れてた。


…ってか、なんで?誕生日プレゼントとか、初めて。

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