お前なんか×××!!!
ムスッとする私の肩を、友美がトントンする。

「花火が始まる頃には、二人っきりにするから」
「え、友美?!」

「とりあえず、露店商回ろっか」
「うん」

…前を歩くのは、仁と桜木さん。

後ろを歩くのは、右に友美、真ん中に私、左側には三神君。

…楽しめるんだろうか?

と、不安に思ったのは少しだけだった。

みんなが盛り上げてくれて、とても楽しかった。

色々回って、食べながら歩いて話して。

笑顔が耐えない。

でも、時々視界に入る仁と桜木さんの仲睦まじい姿を見ると、笑顔が消える。

それを見ていたくなくて、露店に視線を送ると、空気鉄砲で、欲しいものを当てて取るゲームがあって。

「あ…あれほしい」

昔から大好きなキャラクターのぬいぐるみ。

頑張ってみたけどとれなくて凹む。

「俺がとってあげるよ」

三神君の提案に、私は首を降った。

「いいよ!あ、もう花火始まるよ?行こう」

私は三神君の手を引っ張る。

その時だった。

「ごめん、ちょっと会社から連絡きた。後から合流するから」

そう言ったのは、仁。

私たち四人を残し、人混みの中に消えていった。

「もう!こんな時に誰よ?あーもー、行こう」

友美が河川敷に向かって行だし、みんなもそれに続いた。

…一緒に花火見たかったのに。


その数分後、花火が上がり始めた。

「凄い!キレイ、ねえ友美…友美?」

あれ、いない。

「三神君?桜木さん??」

…参った。人混みのせいで、離ればなれになってしまった。

「もう、最悪」

花火より、みんなを探そう。そう決めて、人混みをかき分けて、探し回る。

…ドン。

…あぁ、もう嫌だ。怖い人たちにぶつかった。
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