お前なんか×××!!!
「…楓、帰るぞ」

今日も終業時間になるなり、仁が私に言う。

でも、私は首を降る。

仁はそれに不機嫌になり、私の手首を掴んだ。

「いいから」
「無理、ごめん、これから用事があるから」

「なんの?」

そこへ丁度、友美がこちらに向かって歩いてきたので、私は友美の腕を掴んだ。

当然、友美は驚いて私を見る。

「友美とこれから出かけるの、ね!友美」

そう言いつつ、懇願するように友美を見た。すると。

「え、あ、そうなの。私ももうすぐ仕事終わるから、出かける約束してたし、ねぇー、楓」

二人の怪しい掛け合いに、疑いの目で見る仁に、冷や汗をかきつつ、答えを待つ。

「あ、そ。じゃあ俺は帰る」

と、ため息をついて、その場を去っていった。

私はそこで脱力する。

友美は笑顔で私を見るが、明らかに怒っている。

「どう言うことかしら?」
「ごめんね?話し合わせてくれて、ありがとう」

「で、どうしたの?」
「うん、ちょっとプレゼントを探しに、デパートとか行こうかと思って」

「プレゼント??仁の誕生日なの?」
「ううん。クリスマスの」

「早くない?」
「だって、仁がこの世で一番欲しいものを買わなきゃいけないんだもん…そう簡単に決まるわけない」

「この世で一番欲しいもの?また、凄い要求ね…でもさ、それって…」

私を見つめた友美は何か言いたそう。

「何?」
「いや、うん、頑張れ。わたしでも良ければ、付き合うし」

その言葉にパアッと明るくなる私に、友美は笑う。

「ちょっと待っててね」

そう言うと、仕事に戻っていった。
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