お前なんか×××!!!
「ふーん…仁が、そんなこと言ったの?」

今日も、友美とプレゼントを探し中。

仁との出来事を友美に打ち明けた。

「そんなことする暇ないし、何より!合コンなんて興味ない」

陳列された商品を手に取りながら、ぶつくさと文句を言う。

「…そんな事を言われて、腹がたってるにも関わらず、楓は健気にプレゼント探してるんだよね?」

その言葉に、手が止まる。

「誕生日プレゼントくれてるしね、義理よ義理」
「義理なら、何でもいいじゃない」

「…友美のイジワル」

そう言うと、友美はハハッと笑った。

「プレゼントが見つかって、あげたら、告白するの?」

「…そのつもりだけど」

「仁は、一体誰の事が好きなのかな」
「わかんないよ、そんな事」

私と一緒にいるのは、ただの幼なじみで楽だから。

好きな人がいるのかいないのか…

「私は楓の事が好きだと思うよ」
「幼なじみだからね」

「ただの幼なじみなのに、そんなに一緒にいるもの?」
「気心知れてるから、楽なんでしょ」

「ねえ楓」
「ん?」

「…幼なじみとして、その一線を越えられないのは、楓なんじゃない?」
「…え?」

「そのポジションにいることに安心していたいだけ。恋人という関係になるのが怖いんじゃないの?だから、面と向かって告白できない。仁が聞かないんじゃなくて、さ」

…友美の言葉に、一理ある。

拒絶されたら私はもう、仁の傍には、いられなくなるから。
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